図書室から~本の紹介~
投稿日: 2026年10月20日
図書室から~本の紹介~
『きみのいすはなかった』 ダニエル・ギル 文 スーザン・ギャル 絵 かわの たろう 訳 岩崎書店
ある日、ダニエルと親友のアーチーはスティーブの誕生日会に行く準備をしていました。よそゆきの服を着て、プレゼントを持ち、わくわくしながらスティーブが住む、大きなマンションのチャイムを鳴らしました。
玄関口に出てきたスティーブの母親は黙ったまま、しばらく2人をじっと見つめ、こう、口を開きました。
「ダニエル、あなたは入って。でもともだちはだめ。いすがないから」
スティーブの母親はなぜ、こんなことを言うのでしょう。いすはたくさんあるはずなのに。
この物語には、作者である、ダニエル・ギル氏が誕生日会で実際に経験した出来事が描かれています。ギル氏は、のちに中学校の教師となり、彼の教室にはいつも、一つ多くのいすが置かれています。あの日のような思いをここでは、誰にもさせないために。
「だれかが期待で胸をふくらませてあなたの心の扉をたたくとき、そのひとがすわれるいすが、いつもあなたのなかに、ひとつ、ありますように。」そんな作者の願いが込められた作品です。
