図書室から~本の紹介~
投稿日: 2025年11月20日
図書室から~本の紹介~
『わたしは食べるのが下手』
天川 栄人 著 小峰書店
「人と一緒に食べることが苦手な葵」「給食から栄養を取らないと困る浩平」「食べたいけれど、食べることに罪悪感を抱く咲子」「信じる宗教によって、食べないものを決めているラマワティ」。学校給食をめぐって、様々な思いを抱える子どもたちの葛藤と挑戦がテーマになった作品です。
世の中には食事に対して、色々な思いを抱える人がいます。日常であるが故に、自分の食事に対する思いが、常識となりがちですが、それを他人に対しても同じように当てはめてしまうと、そこで相手を苦しめてしまう場合があります。
多様性を認めること、相手の思いを想像することの大切さがこの物語には描かれているのですが、食べられる人に対して食べられない人のことを考えて欲しいという希望に留まらず、その双方を含めた全ての人に、周囲への想像力を求める内容がこの本が抱える挑戦であると感じました。
第71回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選出された作品です。
