図書室から~本の紹介~
投稿日: 2026年4月22日
図書室から~本の紹介~
『さよなら、田中さん』 鈴木 るりか 著 小学館
中学2年生で作家デビューした、鈴木るりかさんの、表題作を含め5編からなる短編小説です。
厳しい工事現場での仕事をこなし、小学生の花実を支える母。そんな母の幸せのために、自分は負担であると感じ、いなくなろうとする花実。また、いなくなってしまった父との再会が、全く想像もしない形でほろ苦いものとなってしまった、友人の優香。受験が上手くいかず、心身を壊してしまった母に対して罪悪感を抱く、信也。
中学生である作者の目線から描かれた、子どもたちの心情が、作り物ではなく、ありのままの姿で映し出されています。
子どもは、いつも親を見ていて、親も不完全であると気付くよりも先に、自分自身を責めてしまうのだと、この作品を読む大人は、少し胸が苦しくなるかもしれません。
今まで、「大人が描く子どもの目線の作品」を手に取ってきた私たちにとって、「子どもが描く子どもの目線の作品」は、子どもたちの抱く、鋭く容赦のないメッセージとして受け止めなければならないと感じます。
