図書室からー本の紹介ー
投稿日: 2025年5月20日

図書室から~本の紹介~
『友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える』
菅野 仁 著 筑摩書房
社会学者であり、教育大学教授でもある著者が、学校での友人関係に悩む、当時小学生であった娘に向けて、また同じような悩みを抱える子どもたちにも伝わるように、難解な表現を避けて書かれた書籍です。
他者との関係を築くことは大切ですが、時にその関係を維持することに苦しさを感じることもあります。全ての人と密接に付き合うのではなく、「気の合わない人と共存・共在する」という逃げ場を自分に作るということが提案されています。
また、生きていく中で、何かに挫折して自分の限界を知ることや、自分よりもっと努力している人、成果を上げる人がいるということを感じることがあります。そこで耐えることが出来なくて、折れてしまわずに、その苦みを咀嚼し、うま味に変えることができるようになることこそ、「大人になる」ということであり、「生きる」ということであると、この本は伝えています。