図書室からー本の紹介ー
投稿日: 2025年1月16日

図書室から~本の紹介~
『図書館がくれた宝物』
ケイト・アルバス 著 櫛田 理絵 訳 徳間書店
第二次世界大戦下のロンドン、両親の代わりに育ててくれた祖母が亡くなり、家族は12歳のウィリアム、11歳のエドマンド、9歳のアンナだけになりました。三人は、空襲の激しくなったロンドンから、郊外へ疎開します。戦時下のもと、ただでさえ生きていくことが難しくなった疎開先の人々に、3人へ優しくする余裕はありません。差別やいじめの中で、3人にとっての唯一の救いは村の図書館でした。
“A PLACE to HANG the MOON”(原題)に込められた、「子供たちは、夜空に輝くお月さまのよう」と無条件に自分たちを愛してくれた母のような人、癒される場所を追い求めて、子どもたちは厳しい日々の中、葛藤し続けます。
心理学者として活躍していた、著者にとってのデビュー作品です。この物語の発想の大元にあるのは、イギリス児童文学の名作である、C・S・ルイスの『ナルニア国物語』シリーズであると作者が述べているように、随所でその片鱗を感じることができます。
ニューヨーク公共図書館ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤーを受賞した作品です。