図書室から ~本の紹介~

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図書室からー本の紹介ー

投稿日: 2024年11月20日

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図書室から~本の紹介~

『リカバリー・カバヒコ』 

青山美智子 作 光文社

 進学校の受験に合格したものの、以前のような成績を残すことが出来ず、周囲と比較し、劣等感を抱く高校生、母親同士の中で居場所が見つからず、自分を見失う主婦、人の幸せを願うことができなくなったウェディングプランナー、駅伝選手に選ばれるのが嫌で、足が痛いと嘘をついてしまった小学生、年老いた母親との距離感に悩むサラリーマン。

 この本の題名にもなっている、「カバヒコ」は公園にあるカバの乗り物です。この「カバヒコ」には自分の体の直したい箇所と同じ部分を触るとリカバリーするという都市伝説があるのです。この物語の登場人物は、自分の悩みを回復してくれるという、カバヒコの力を求め、思い思いに公園に向かいます。

 どのような立場、年齢、性別の人でも、この本に登場する誰かの感情に自分を重ねることができるのではないでしょうか。2024年本屋大賞ノミネート作品です。

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