図書室からー本の紹介ー
投稿日: 2024年4月25日
図書室から~本の紹介~
『ルリユールおじさん』
いせ ひでこ 作 「株式会社 講談社」
令和六年度の五年国語教科書(光村図書)に新しく掲載された『チェロの木』の作者である、いせ ひでこさんの作品です。
この本の題名でもある『ルリユール』(RELIEUR=もう一度つなげる)は本を修復する職業であると共に、未来へとつないでいくという思いも込められています。いせ ひでこさんの作品には、「つなぐ」というテーマが根底に存在するものが多くあります。本を修復するということは、その本を書いた作者の思いや、その本を大切にしている人の思いを、つなげていくことになります。
この物語に出てくる少女は、“植物が好き”という思いを、植物学者になるという将来の夢へとつなげていきます。ルリユールおじさんの父親から、ルリユールおじさんへと、ルリユールおじさんから、植物学者になった少女へと、またこの少女の思いも本と共に、植物を愛する誰かへとつながっていくのでしょう。命はいつかなくなってしまっても、思いや願いはきっと次の世代へとつながっていくと思わせてくれる作品です。